割り勘アプリのVenmo, 銀行口座への即時送金を発表

Paypal傘下のVenmoはミレニアル層を中心に浸透しているアメリカの個人間送金アプリである。アプリ利用者間で数ドルから数十ドルの送金が可能であり、割り勘などに使われる。eコマースやキャッシュレス利用が進む中で、現金による割り勘サービスの需要が増しているだけでなく、もともと銀行振込に数日かかり、手数料も高い米国の事情もあって、アプリ利用による個人間送金サービスは拡大を続けている。

Venmoはこの8月、その銀行口座への即時送金、Instant Transferを発表した。Venmoユーザーはクレジットカードやデビットカードを登録して現金をVenmo上にチャージし、その残高を利用して送金を行う。友人から送られてくる割り勘の代金やちょっとしたアルバイトの報酬などがVenmo口座にプールされ、ユーザーはこの残高を利用して自分の支払いを行う。もともとVenmoは、デビットカードを登録しておけば、Venmo残高を自分の口座に戻す、すなわち現金化することが可能だったが、Instant Transferによって、他社口座への送金が可能になる。

Venmoを始めとしたアプリ送金サービスの最大の問題点は、同じアプリを所有する人同士でしかサービスを共有できない点であったが、銀行口座に送金できることでVenmoの利用価値は更に広がることになるだろう。Instant Transferの手数料は1送金あたりの最低額が0.25ドルで、最大でも10ドルまでとなり、非常に使い勝手のいい料金体系となっている。

アメリカの銀行振込手数料は非常に高い。最も早いワイヤー・トランスファー(電子送金)は即時送金が可能で振込額に上限はないが、送金に30ドルかかり、なんと受け取り側も15ドルを支払う必要がある。給与振込や公共料金の支払など、ビジネスでよく使われるACHトランスファーは利用予定回数に応じた手数料を月額で支払い、1回の振込あたり1ドル程度と安価だが、送金に数日を要し、かつ一日あたりの金額上限が定められている。(州によって異なるが1回あたりの送金上限は10,000ドル前後で、同じ振込先には1日に1回までしか送れない)。Venmoにも送金上限はあり、1送金あたり最大2,999.99ドル、1週間あたりの送金総量が19,999.99ドルまでなら何度でも送ること(振込先口座の登録とVenmoによる安全性認証が必要)が出来るので、少額の決済やアルバイト代などには問題ないレベルといえるだろう。

現在アメリカでは、様々なアルバイトを掛け持ちしたり、隙間時間を仕事に変えて生計を立てる、ギグ・エコノミーと呼ばれる勤労スタイルが増えており、Venmoを始めとした少額アプリ送金のサービスは、彼らの働き方に非常にフィットするものとなってきている。


参考記事:
Venmo(2019), FAQ — Bank Transfer Limits
https://help.venmo.com/hc/en-us/articles/221010968-Payment-Limits

TheVerge.com(2019), Venmo can now instantly deposit money into your bank account
https://www.theverge.com/2019/8/13/20803907/venmo-bank-account-instant-transfer-now-available

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