Uberは自社サービスを全て包含する月額サブスクリプションサービスの試験運用を開始した。Techcrunchの報道によると、このテストは7月現在でシカゴとサンフランシスコで行われており、月額24.99ドルとのことである。Uberは既にRide Passという定額ライドシェアサービスを同じ金額で提供していたが、これにUber Eats, JUMPなどの同社サービスの定額利用が加わった形になる。
Uberといえばライドシェア(Uber)や日本でも有名なフード宅配(Uber Eats)と考える人は多い。しかし、彼らはそのシェアビジネスを更に拡張中である。今後の主力と目されるのが電動アシストバイクやキックスクーターのシェアビジネスのJUMPである。JUMPはサンフランシスコでテストを開始し、現在は全米主要都市に展開している。UberのRide Passは、一定エリア内のライドシェアとJUMPサービスが無制限で利用でき、Uber Eatsの宅配手数料が無料になる。
Uberのライバルは多い。ライドシェア最大のライバルLyftは徹底的にUberのコピー戦略をとっており、Ride Passに対抗するAll Acessという月額パスを提供し、JUMPと同じコンセプトのLyft Bikesを展開中。フード宅配のライバルの一つであるPostmatesも以前から宅配料のサブスクリプションを提供している。何より、シェア自転車にはCiti Bikeなど公共プロジェクトの先行者があり、多くのニューヨーカーは既に年間パスを持っている。ただ、ライドシェア、バイクシェア、フード宅配の各サービスを全て持っているのはUber一社のみであり、このサービスによって大きなアドバンテージを持つことになるだろう。
筆者注:
LyftはUberと同じくライドシェア・サービスの企業で西海岸を中心に全米展開している。ほとんどのUberドライバーはLyftとも契約しており、多くの消費者は両方のアプリをスマホに入れている。同社もタクシーからバイクシェアに展開を拡大中。
Postmateは買い物代行からスタートし、現在はフード宅配に特化したスタートアップ。現在、Uber Eats, Grub Hub, Doordashに続く4番手のポジション。ライバルとの差別化として、月額9.99ドルもしくは年額99.99ドル支払えば何度注文しても宅配料無料としている。
参考情報:
Uber(2019), Ride Pass, retrieved from
https://www.uber.com/us/en/ride/how-it-works/uber-pass/TechCrunch(2019), Uber tests monthly subscription that combines Eats, rides, bikes and scooters, retrieved from
https://techcrunch.com/2019/07/22/uber-tests-monthly-subscription-that-combines-eats-rides-bikes-and-scooters/