そんなアメリカ人のマットレス事情を変えたディスラプターがCasperである。2013年に創業し、「ニューヨークで最もイケてるスタートアップ」の称号を手にしたD2Cマットレス企業の先駆者である。Casperの特徴はなんといっても「スマホで買えるマットレス」であり、優れたUIと安価な価格帯、無料配送、そして、圧縮梱包による配送時の手軽さである。Casperのマットレスはスプリングレスなのでくるりと折り曲げることが出来る。このため梱包サイズは従来の4分の1になる。さらに抗菌シートを活用することでベッドバグの発生も防いでいる。同社は、現在シリーズCの調達ステージにある。これまでに1.4億ドルを調達し、とうとうユニコーンの称号を手に入れた。 その後、様々な追随者がマットレスD2Cビジネスに参加し、市場は混迷を極めている。先述のCNBCの記事によれば、昨年のアメリカのマットレス市場において、実に45%がオンライン経由で購入されている。また、大手を含めて多くのマットレスメーカーは生産ラインをアウトソージングしており、新興メーカーでも比較的参入障壁が低く、かつ利益率が高いことが175ものブランドによるD2Cマットレス戦争を後押ししている。*2 ちなみに、巨人Walmartも2018年、自前のD2CマットレスブランドであるAllswellを発表。高単価で比較的回転率の早いマットレスビジネスは完全に後発となったWalmartにとっても魅力的でかつ勝算のあるビジネスなのであろう。
引用情報:
*1,*2, CNBC(2019), There are now 175 online mattress companies—and you can't tell them apart, retrieved from https://www.cnbc.com/2019/08/18/there-are-now-175-online-mattress-companiesand-you-cant-tell-them-apart.html
参考情報:
Casper(2019) https://casper.com/ Walmart.com(2019), Allswell, retrieved from https://www.walmart.com/cp/allswell/2114296