現在のeコマースにおいて、「置き配」の浸透が急速に進んでいる。大きめのマンションならば、施設内に宅配ボックスがあるが、アパートや一戸建ての場合、そうは行かない。欧米ではAmazon専門の私書箱とも言えるAmazon Lockerがスーパーや大学施設内に設置され、自動車のトランクに】配送する、FREE In-Carも開始されている*1。Panasonicなどの大手メーカーも宅配ボックスの販売を開始した*2。
そんななか、Yper(イーパー)社が提供する宅配バッグ「OKIPPA」を、楽天が提供する配送サービス、Rakuten Expressが採用するとの発表があった。今後、Rakuten Express利用者は、置き配指定にOKIPPAを選択することが可能になる。同社は既に、ヤマト運輸、日本郵便、佐川急便、Amazon配送各社の置き配配送箇所として認定され、配送追跡情報のデータ連携も実行中。Amazonや楽天、ユニクロ、ZOZOTOWNなど大手の置き配で既に利用されているが、配送先を「OKIPPA」と明示的に指定できるのはRakuten EXPRESSが初となる。
OKIPPAはスマートフォン連動型の鍵付き置き配バッグ。
画像:同社ホームページより転載 https://www.okippa.life/
同社が提供する置き配バッグは、たためば13cm四方。スマートフォン2台分程度の寸法になり、普段はドアノブから南京錠付きワイヤーで吊るしておく。置き配でOKIPPAを指定しておけば、配送員はバッグに荷物を詰めて、専用ロックを施錠し、配送完了報告をすることで配送が終了する。配送状況の確認は専用アプリで確認することが可能である。
OKIPPAは2018年の9月から販売を開始しており、同社公式ショップ(サイト)などで3980円で購入可能。同社によると、現在全国13万世帯で利用されているという。同社は2019年から経産省主催の「置き配検討会」に参加しており、今回の楽天との提携も同会での意見交換を通じて実現している*4。
コロナ禍によって宅配時の接触を避けるケースが増えている。ヤマト運輸などでは、これまで必須だった印鑑やサイン認印を省略できるようになった。もともと「置き配」は不在再配送の件数を減らすことで配送員の作業コストを減らすとともに、荷物の確実な受け渡しを実現するための試み。COVID-19の影響で「非接触受け取り」という新しい社会トレンドが出現し、OKIPPAは今後大きく注目されるサービスとなるだろう。
引用情報:
*1
Amazon.com(2020), Free In-Car Delivery, retrieved from https://www.amazon.com/b?ie=UTF8&node=17051031011
*2
Panasonic(2020), 戸建住宅用/集合住宅用 宅配ボックス コンボ, retrieved from https://sumai.panasonic.jp/exterior/takuhai/combo/
*3,4
PRTIMES(2020), 宅配バッグ “OKIPPA” がRakuten EXPRESSの「置き配」サービスに登場!楽天オリジナルのOKIPPAを抽選で10,000名にプレゼント, retrieved from, https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000031698.html