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2.生産・流通はさらなる高みへ

「非接触」「非移動」の強制によって、バックオフィスだけでなく、生産部門も物流部門も営業部門も大きな打撃を受けている。工場を稼働させるためには従業員が手を動かさなければならないし、取引先と交渉するには営業部隊が動かなければならない。製造原料や最終製品を届ける物流も分断され、そもそも販売先が店を閉じているのだ。これらの企業活動が大きく制約されているのだから、経済が回るわけがない。

一方で、それでも動き続けているのも事実である。コロナ禍で工場の減産が行われている理由には、海外からの資材調達の分断と、作っても売れない、という2つの側面がある。前者について日本のメーカーの多くは早くから調達ルート変更や国内調達にシフトを始めている。多くの製造業は、中国への調達依存回避策として「チャイナ・プラスワン」戦略(中国の他にもう一つアジアの調達ルートを確保すること)を実行していたが、コロナ以降は、日本国内調達を含み、中国以外の2つの調達拠点を確保する「ジャパン・プラスツー」戦略にシフトし始めているという*9。幸いなことに宅配流通は健在であるし、小口の物資輸送ならば航空便がフル稼働している。旅客便は大幅に減便しているが、むしろ緊急貨物の需要は増えており、旅客機が輸送機代わりに飛んでいる*10。貨物船も減便しているが、コロナ禍による寄港制限よりも、そもそもの輸送需要の激減によるところが大きい。貨物トラックも同様である。いずれも、感染防止による制限は最小限に抑え込まれている。つまり、厳正な衛生管理体制のもと、物流インフラはWithコロナでも生きており、高速で適応しはじめている。コスト高の問題はあるが、時間とともに解決するだろう。生産や流通は比較的早期に対応し、踏ん張り続けている。おそらく両者はWith コロナの中でさらなる最適化が進むだろう。生産ラインはIndustrial IoTによってオートメーション化が加速し、国際ロジスティクスの精密化とデータ化も進むはずだ。国内物流は小口化が進み、Sharing Logisticsを提唱するMovo*11や小口物流のフルフィルメント業務を一手に引き受けるオープンロジ*12などの新興企業に支えられてさらなる進化を続けるだろう。

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