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畜産DX―――豚の個体数や健康状態を把握できるAIカメラシステム

作成者: DXNavigator 編集者|Aug 6, 2021 5:29:03 PM

IoT技術とAIを活用することで「畜産エコシステム」を確立し、「儲かる畜産」の仕組みを創るコーンテックは6月15日、豚の成長管理が可能な養豚農家向けAIカメラシステム「PIGI」(ピギ)のベータ版の公開を発表した*1。
畜産業界では勘や経験に依存した生体管理や台帳記入など未だアナログな業務管理が多く、旧来の体重や体長の測定管理方法では豚を1頭ずつ体重計に乗せて計測したり目視で計測したものを台帳に記入したりなど、人が介在し多くの時間をかけることが多い。また、昨今の労働背景の観点からも人材確保が難しくなっており、人の介在を減らすことが重要だろう。

 

 

「PIGI」(ピギ)は簡単に言ってしまえばAIカメラで、画像や映像解析で豚の推定体重を測定し、日々の増体(家畜の成長度)を細かく管理できるシステムだ。
1つのカメラで同時に最大50頭分の体重、体長を計測。常時、計測を行うので日々の増体変化などをグラフで確認することが可能だ。また、室温度センサーにより豚舎内の温度差を24時間測定し、常に豚舎内を適温に保つ。豚舎の環境状態を見える化し、豚の動態を計測・分析することで異常をすばやく検知できる。

出典:PIGI(ピギ)| 養豚農家向けAIカメラ(2021), https://lp.app-pigi.com/

コーンテックはほかにも自家配合飼料のプラント構築と飼料マネジメントを畜産農家ごとにコンサルティングすることで、ビジネスとして儲かる仕組み作りを提供している。家畜のエサ代が経営コストの60%以上を占めると言われている畜産業では、エサのコスト削減が至上命題となる。同社は高栄養価かつ低コストのエサを作るためのコンサルティングと、直配合施設と呼ばれるプラントの設計を行い、自家配合プラントの導入を支援する。これにより、養豚農家は大幅な飼料コストの削減が可能となる。
今回PIGIが公開されたことによって、さらに養豚農家の手間・コストの削減が行えるはずだ。従来のやり方からアップデートし畜産のDXをどう推進していくのか、コーンテックの今後の活躍が楽しみだ。

 

参考情報:
株式会社コーンテック(2021), https://corntec.jp/
PIGI(ピギ)| 養豚農家向けAIカメラ(2021), https://lp.app-pigi.com/

引用情報:
*1
株式会社コーンテック(2021), 豚の個体数や体重・健康状態を把握できる養豚農家向けAIカメラシステム「PIGI」がベータ版公開, retrieved from https://corntec.jp/%e7%95%9c%e7%94%a3dx%ef%bd%9c%e9%a4%8a%e8%b1%9a%e8%be%b2%e5%ae%b6%e5%90%91%e3%81%91iot%e3%83%bbai%e5%ae%b6%e7%95%9c%e7%ae%a1%e7%90%86%e3%82%b5%e3%83%bc%e3%83%93%e3%82%b9%e3%80%8cpigi%ef%bc%88%e3%83%94/