2021年8月24日、製造業の受発注プラットフォーム「CADDi(キャディ)」を提供するキャディ株式会社(以下キャディ)が総額80.3億円の資金調達を実施した*1。
キャディは2017年11月に設立。製造業の受発注プラットフォームCADDiを開発・提供し、機械、装置類の板金加工品や切削・金属加工品の生産を請け負っている。対応できる加工や材質が多種多様で、それらを一括で発注できる点が強みだ。
近年は新型コロナウイルスの影響や半導体需要増加などにより、部品供給が逼迫する業界もあるなか、複数の業界を横断して需給をリバランスできる仕組みを活かし、高品質な部品を最短で供給することで製造業の調達課題の解消に寄与してきたという*2。
出典:キャディ株式会社コーポレートサイト(2021), https://corp.caddi.jp
製造業は日本だけでも180兆円規模の生産が行われている*3。設計フェーズではCADやCAEなどの活用、製造フェーズではロボット化や自動化など、それぞれのフェーズでイノベーションが起こっていくなか、調達フェーズでのデジタルトランスフォーメーションを試みているのがキャディだ。
顧客となるのは産業機械装置メーカーやプラントメーカーで、板金・切削・製缶などの特注部品で構成される装置・プラント一式の一貫生産を担い、多品種の製品を一式で対応することにより、製品コストの低減、調達・生産管理工数の削減を実現している。ただのコストダウンではなく、製造キャパシティの確保や調達工数の削減などの調達課題も一緒に解決している点がポイントだ。
他にも、独自開発の原価計算アルゴリズムに則った自動見積もりシステムにより、品質・納期・価格が最も適合する加工会社の選定を可能としている。
また、採用の特別サイトを運営したり、資金調達を記念したオンライン採用イベントを複数開催したりと採用にも力を入れている。運営しているのは採用サイトだけではなく、noteでこれまでの歩みやこれからのビジョンを公開したり、Wantedlyにて社員インタビューを掲載するなど、人、カルチャーを大切にし、組織作りにも力を入れていることが伺える。他にもYoutubeにてイベントの様子を公開したり、エンジニアがTechブログを運営するなど、社外に対する知識の公開にも積極的である。
CADDiでのDX実現にとどまらず、組織内でイノベーションが起こりやすい土壌を耕している。彼らが、CADDi以外にも(もしくは新機能として)DXを実現する新たなソリューションを生み出す日も近いだろう。
参考情報:
キャディ株式会社コーポレートサイト(2021), https://corp.caddi.jp/
CADDi(2021), https://caddi.jp/
引用情報:
*1 *2
PRTIMES(2021), キャディ、総額80.3億円のシリーズB資金調達を実施, retrieved from https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000039886.html
*3
キャディ株式会社コーポレートサイト(2021), https://corp.caddi.jp/service/