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Web3D、どうビジネスに活かす?

作成者: 大浦 彰真|Sep 10, 2024 6:22:18 AM

こんにちは。
アジアクエスト株式会社、営業担当の大浦です。

突然ですが、「Web3D」というワードを聞いたことはありますか?

「名前は聞いたことはあるが、具体的にはどんなものかわからない...」「どういうものかは知っているが、ビジネスにどう活用するのかはわからない...」という方もいらっしゃるかもしれません。

今回はWeb3Dについて解説すると同時に、よく一緒に用いられる「ゲームエンジン」の説明や、産業やビジネスへのWeb3Dの活用アイデアをご紹介します。


■ Web3Dとは

「Web3D」とは、3DコンテンツをWebブラウザ上で表示する技術を指します。

従来のWebシステムに比べて、より直感的なUI/UX(ユーザーエクスペリエンス)を提供できます。名前が似通っているため混同されやすいですが、Web3.0とは全く異なるものです。
※Web3.0は、ブロックチェーン技術を利用して実現される分散型インターネットのことです。

Unreal EngineやUnityをはじめとしたゲームエンジンや、Three.jsなどのプログラミング技術を活用することで、Webブラウザ上で3Dコンテンツの表示が可能となります。これにより、スマートオフィス・スマートファクトリー、ECサイト等さまざまな場面で新しい価値の創出が期待できます。

本題に入る前に、Web3Dを実現する技術として一般的なゲームエンジンとThree.jsについて簡単に触れておきます。


■ ゲーミングエンジンとは

ゲームエンジンとは、3D描画処理や物理演算、サウンド入力といったゲームの開発に必要不可欠な機能やプログラムを提供し、開発を効率化するソフトウェアのことです。そのゲームエンジンの中でも、世界中で広く使用されているものとしてUnreal EngineとUnityがあります。

名前の通り、主には2D/3Dゲーム開発に用いられますが、3D映像制作やAR/VRコンテンツ開発、各種シミュレーションなどにも活用できます。



■ Three.jsとは

Three.jsは、Webブラウザ上で3DCGを表示できるJavaScriptライブラリです。軽量で使いやすく、豊富な機能を備えているため、様々な用途・分野で利用されています。

現在でも活発にシステム開発に使用されており、サードパーティ製プラグインやツールも多く開発されているため、今後も成長が期待されるライブラリです。

Three.jsの公式サイトには様々な事例が掲載されているので、それらを参考にしながら実現したいことのイメージを膨らませてみるのもよいかもしれません。*1


 

産業・ビジネスへの活用

Web3Dはゲームエンジンとともに、産業・ビジネスへの活用が進んでいます。
ご紹介する活用例の一つは、都市開発におけるWeb3Dやゲームエンジンの活用です。

冒頭で述べた通り、Web3Dやゲームエンジンを活用することで、3Dコンテンツの表示だけでなく、AR/VRによる体験型コンテンツ開発やさまざまなシミュレーションが可能となります。

建物や自然物を立体的に表示したり、地理情報やその他膨大な情報をもとに、様々なシミュレーション(例えば災害時の人流予測)を行うことができるため、都市開発後のリスク予測に役立ちます。Web3Dの技術は、都市開発に非常に適していると言えるでしょう。*2

都市開発以外にも、センサー等から取得したデータを立体的に表示したいケースや、シミュレーションを行いたいケースなど、Web3Dはさまざまな場面で有用な技術です。

弊社でも建設業界をはじめ、さまざまな業界のお客様向けにWeb3Dを活用したシステム開発を支援しています。実際にWeb3Dを活用したDX化支援を行ったお客様からは、これまで2次元で表現されていた情報に奥行きなどの立体的な3次元情報を可視化することで、データの視認性が向上したといったメリットを伺っています。

またそういった一次的なメリットの他にも、データが扱いやすいインターフェイスを採用することによって、現場でのシステム利用を促す動機づけになるといった心理面でのメリットもお話いただきました。

 

アジアクエストについて

ここまで、Web3Dの技術や産業・ビジネスへの活用アイデアをご紹介してきましたが、弊社についても少しご紹介させていただきます。

弊社ではWeb3Dだけでなく、IoT、AI、CloudなどDXに資する技術領域を網羅し、組み合わせてお客様のDXのご支援を行っています。

先ほどWeb3Dのデメリットを2点挙げましたが、アジアクエストではWeb3D関連のプロジェクトの実績と知見があるため、通常よりも比較的コストを抑えて対応することが可能です。まずは3D化による効果検証やPoCを小規模から始めたいといったケースにも対応できますので、ぜひ一度ご相談ください。

また、デジタル空間上の座標を現実空間と合わせたり、連携する際に発生する膨大なデータ処理に強みを持っているため、パフォーマンスを保ちながら開発を進めることが可能です。
(ゲームエンジン用に現実空間を再現した3Dモデルを用意することも弊社で対応可能です!)




お客様へのご支援だけでなく、アジアクエスト社内でも積極的に技術検証を行っています。

↑3Dモデルを利用したリアルなデジタル空間の構築(Unreal Engineを使用)

↑大規模な位置情報をデジタル空間上に反映

 

ぜひ一度、お気軽にご相談ください

今回はWeb3D技術についてまとめました。従来のシステムは2次元での表示が主流でしたが、3次元で立体的にデータを表示することで、より多くのデータを直感的に表示できるシステムが実現できます。また、競合他社との差別化を図る手段としてもご検討いただけるのではないでしょうか。

弊社ではWeb3Dについて、「表示板から操作盤へ」の変革を目指しています。例えば、現在はモニタリング装置として使われていますが、増加する現場のロボット操作用のインターフェースとしての使用も検討しています。例えば、1階の資材を12階にロボットで運ぶ際に、従来のコントローラーではなく、3Dモデル上で資材をドラッグアンドドロップだけで操作できれば、現場作業員の負担を大幅に減らすことができるでしょう。*3

また、生成系AI技術を活用した取り組みも必要だと考えています。
音楽、動画、音声、3Dモデル生成など、生成系AI技術を活用した新しいUXを提供します。



Web3Dに少しでも興味をお持ちいただけましたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
貴社の課題や実現したい内容をお伺いし、Web3Dを含めた最適なソリューションをご提案いたします。

 

参考記事:

*1 three.js(2024),   https://threejs.org/

*2 都市のデジタルツインにおけるゲームエンジン連携_活用マニュアル(2022), 都市データ活用の流れとゲームエンジンの役割 , Retrieved from https://speakerdeck.com/data_rikatsuyou/du-shi-nodezitarutuinniokerugemuenzinlian-xi-huo-yong-maniyuaru?slide=14/

*3 WAKU WAKU 2030 Project (2024), Web3Dを活用した「可視化」によるDX事業の取り組み, Retrieved from https://wakuwaku.b5g.jp/interview/687/