イスラエルの血液検査スタートアップSight Diagnosticsは医療を変えるか?

Sight Diagnosticはイスラエル初のスタートアップであり、AIによって血液検査を簡易化・高速化することを目指した、いわゆるメディテック企業である。Techcrunchの報道によると同社は2,780万ドルをシリーズCで調達し、国際パートナーシップの更なる拡大を目指している。

同社が提供するサービスは患者の血液一滴から成分検査を行い、即時に検査結果を提示するものであり、詐欺罪で訴えられた悪名高いエリザベス・ホームズ氏のTheranos社と全く同じコンセプト。同社との違いは完成度と実用性であるといえるだろう。Slight Diagnosticのサービスは、同社が開発提供するOLOと呼ばれるデバイスによってもたらされる。

彼らが提供しようとしている価値は、血液検査の低侵襲性と成分分析の高速化であり、言い換えると、少ない苦痛と素早い結果を提供することで患者はもちろん、医療オペレーションそのものや、傷病疾患の早期発見、処置の高速化につながるということになる。Theranos社はこのコンセプトを実現しようとして技術的に解決できず、嘘を重ねることとなったが、Sight Diagnostics社は技術と研究開発の裏打ちを持ってその検査精度を知らしめ、北米だけでなく欧州、アジア、アフリカの各国でOLOの販売許可を得ており、研究成果は複数の医学専門誌で発表されている。

OLOのアイディアは、コンピュータ映像によって血球成分などを拡大し、AIを活用して血球数を推定するものである。CEOのYossi Pollakは映像処理の専門家であり、自動車の衝突支援カメラシステムのフロンティア、Mobileeye社の出身であり、CTOのSarah Levy Schreierはイスラエルのウェイズマン科学大学で凝縮系物理学を専攻した才女である。また、アドバイザリーボードのShai Izraeri博士はテルアビブ大学の血液腫瘍研究機関であるDotan Centerのトップである。Sight Diagnosisは過去2年間マラリア検査で研究実績を積み、24カ国に60万の検査キット販売実績を持っており、OLOにはこの検証結果が生かされている。

今回の調達は、欧州展開における戦略パートナーシップとしての意味合いが強く、ヘルス&ビューティで約15,000店舗を欧州内に展開するCK Huchsion Groupなどヘルスケア関連企業出資参加していることからも、本投資の戦略性が伺える。


参考記事:
Sight Diagnosis(2019), https://www.sightdx.com/

TechCrunch.com(2019), Biotech AI startup Sight Diagnostics gets $27.8M to speed up blood tests,
https://techcrunch.com/2019/02/14/biotech-ai-startup-sight-diagnostics-gets-27-8m-to-speed-up-blood-tests/

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