BIM/CIMを活用した建設DX

こんにちは、アジアクエストの小甲です。
アジアクエストでは、建設DXの一つである、BIM / CIMを活用したシステム開発に力を入れています。
BIM / CIMとは、建造物の3次元モデル(形状情報)に室等の名称や材料、数量などの属性情報とその他の情報を紐付けて利活用することです。
10月には、BIM/CIMやCADのソフトウェアを数多くリリースしていることで世界的に有名なAutodesk社の、「APS認定パートナー」に選定されました。 (日本では4社目となります!)
今回はBIM / CIMやAPS (Autodesk Platform Services) について紹介していきます。
■ BIM / CIMとは
国土交通省によると、BIM(Building Information Modeling) / CIM(Construction Information Modeling/Management)とは、計画、調査、設計段階から3次元モデルを導入することにより、その後の施工、維持管理においても3次元を連携・発展させて事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし、一連の建設生産・管理システムの効率化・高度化を図ることを目的としたワークフローを指しています。※1
2次元平面図などでわかりにくいものを3次元モデルにしてわかりやすくするというイメージがあるかもしれませんが、BIM/CIMは2次元のものを3次元化をすることを指すわけではありません。
そもそも、BIM/CIMでは3次元モデルを必ずしも活用する必要があるわけではなく、従来の方法から生産性の向上やプロセスの改善をし、脱却するためのツールです。
BIMは建物に関する情報がメインですが、CIMでは構造物の情報の他に地形や地質といった自然環境条件の情報も取り扱うことが多くあります。
ちなみに、日本国内では建築はBIMで土木はCIMと分類されますが、国外では建築か土木かに関係なくBIMと呼ばれます。
■ BIM/CIMを使うと何ができるのか
建設ワークフローにBIM/CIMを導入することで、生産性の向上が期待されます。
設計、施工から維持管理までのワークフロー全般、もしくは一部でBIM/CIMモデルを作成、蓄積された情報の活用、共有、管理を実施することで、以下のようなことが実現可能となり、従来の業務の効率化が期待されます。
・関係者間での情報共有や合意形成
・各種シミュレーションによる、企画や設計初期段階での品質や性能の向上、コストの削減
・意匠/構造/設備のモデリングの自動化、干渉チェック
・積算、数量算出の自動化
・施工計画の最適化や現場管理の可視化
・メンテナンス履歴や現地センサーとの連携による可視化
※画像はイメージです
また、BIM/CIMは、上記のような業務効率化に役立つほか、生産性向上に効果的な手法と言われている、「フロントローディング」「コンカレントエンジニアリング」にも活用できます。
フロントローディングとは、工程の初期(フロント)に負荷をかけて(ローディング)、事前に集中的に検討する手法です。後工程で生じる可能性のある仕様の変更や手戻りを未然に防ぐ効果があり、品質の向上や工期の短縮化が期待されます。
BIM/CIMでは、設計初期から3次元モデルの構築と属性情報の作り込みを実施し、情報を活用したシミュレーションや検査/検証を行うことができます。これにより、設計品質を向上させ、設計ミスや干渉に伴う手戻りを未然に防ぎやすくなります。
コンカレントエンジニアリングとは、複数工程を同時並行で進め、関係者間で情報共有や共同作業を実施する手法で、期間の短縮やコストの削減が期待されます。
BIM/CIMを活用すると、各種情報が一元化できるため、これまで設計/施工/維持管理といった段階的に検討されていたものを、設計段階で施工や維持管理における知見や必要な情報を反映させることが可能となります。
これにより、図面やモデリングの作成、施工計画、景観検討などの各プロセスを同時に検討することが可能となり、工期全体の短縮化が期待されます。
また、上記以外にも、現実世界とデジタルを繋ぎ合わせることで、人の目と手に依存した業務を減らすこともできると思います。
属人化している業務は人手不足や職人不足などの要因にもなっており、生産性を下げる原因の一つです。
■ APS認定パートナーとは
本記事の冒頭で、アジアクエストがAPS認定パートナーに選定されたと書きました。この章では、そのAPS(Autodesk Platform Services)について解説していきます。
APS(Autodesk Platform Services)とは
まず、Autodesk社とは、世界的に有名なソフトウェア会社です。製品としては、AutoCADやRevit、Navisworks、Civil3D、Autdesk Construction Cloud(ACC)などがあり、2D・3D CAD製品を数多くリリースしています。
APS(Autodesk Platform Services)は、Autodesk社が提供するクラウドベースの開発者向けプラットフォームです。クラウド上のデザインやデータを活用する様々なWeb APIが用意されており、設計・エンジニアリング・建設・製造などの分野で使用されるソフトウェアおよびツールの開発・管理・データの共有に役立ちます。
画像引用元URL:https://adndevblog.typepad.com/technology_perspective/2023/07/autodesk-platform-services.html
APSでできることは多岐に渡りますが、アジアクエストが強みとしているのは、APSを活用したクラウドベースの開発です。例えば、3Dビューワーやデータの統合管理システム、ファイル変換システムを構築することで、クラウド上でBIMやCADデータを操作・管理し、チーム間のコラボレーションを円滑化することなどが可能です。
■アジアクエストについて
アジアクエストでは、BIM/CIMやAutodesk APSを活用した革新的な建設DXソリューションを提供し、業界の生産性向上やプロセスの最適化を支援しています。
最新の技術と専門知識を活かし、設計から施工、維持管理まで一貫したサポートを実現。課題解決や新たな価値創出をお手伝いします。
BIM/CIMやAPS導入を検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。皆様のビジネスに最適なソリューションをご提案いたします。
参考記事:
*株式会社キャパ(2022), Autodesk Platform Services (旧 Forge)で出来る事と活用例, https://www.capa.co.jp/archives/31332
*AsiaQuest BIM導入/活用支援(2024), Retrieved from https://www.asia-quest.jp/lp/autodesk_bim/
*Autodesk (2024), Retrieved from https://www.autodesk.com/jp
*1 国土交通省 BIM/CIMポータル(2024), BIM/CIMとは, Retrieved from https://www.nilim.go.jp/lab/qbg/bimcim/bimcimsummary.html
-
ConTechと建設DX – BIMを中心に据えた世界の到来
-
マイクロレンディングの変化球、小規模建設業者向け資金調達サービスhandle.comの奮闘
-
【特集対談】建設DXから望むデジタルツインの未来予想図
-
“既存小売のamazon化”というDX―――Fabricが提供するマイクロ・フルフィルメントセンター
-
Toggleの建設ロボットは建設DXをどう進めていくか
-
技術系出身者はデジタルトランスフォーメーションのリーダーに向かないのか
-
テンセント出資の音声対話RPA、硅谷智能(Silicon Intelligence)が大規模資金調達か
-
自然系薬品専門の科学検証デジタルメディア、Kenshōが米国でローンチ