FedEx、 Amazonとのラストマイルビジネスから完全撤退
FedExは、AmazonとのEC配送契約を2019年8月一杯で終了すると発表。既に同社はAmazonとの小口航空便配送契約を終了しており、FedExは事実上、Amazonが提供するラストマイル・ビジネスから完全撤退したことになる。FedExの発表によるとAmazonからの収益は、2018年末時点で、配送ビジネス総売上の1.3%程度であったとされる。 Amazonは自社独自の輸送力を積極的に強化しているが、今回のFedExの発表は物流・配送の完全自社化を目指すAmazonの方向性を明確に示している。FedExは同契約の終了によるAmazonとの他ビジネス(大口輸送など)への影響はないと声明、その一方で、自社配送ネットワークを通じたAmazon以外の世界中のeコマース需要への投資を強化していく、と複数のメディアが報じている。*1
事実、アメリカにおけるラストワンマイルのプレイヤーは、FedEx, UPSそしてUSPS(アメリカ合衆国郵便局)の3つによってほとんどが占められているが、いずれも決して配送品質が高いとは言えず、Amazonが求めるサービススペックに達していないことは明白であった。一方、日本でも佐川急便やヤマト運輸がAmazonの当日配送から撤退し、通常配送の値上げ要求があるように、配送業者にとってAmazonのラストワンマイル・ビジネス参加は必ずしも良いパートナーシップとは言えないことも事実である。 FedExの決断は同社の経営体質の短期的改善には貢献するだろう。しかし、長期的に見れば、より安価で優秀な配送サービスを提供できる新興勢力の台頭を促すことになるかもしれない。
引用情報:
*1
TechCrunch(2019), FedEx ends ground-delivery contract with Amazon, retrieved from https://techcrunch.com/2019/08/07/fedex-ends-ground-delivery-contract-with-amazon/
TheVerge.com(2019), Amazon loses contract with FedEx Express as it builds out competing delivery network, retrieved from https://www.theverge.com/2019/6/7/18656813/amazon-prime-fedex-express-delivery-logistics-network-contract-termination-usps-ups
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