Toggleの建設ロボットは建設DXをどう進めていくか

Toggleという名のスタートアップが、2019年10月に300万ドルのシードラウンド調達を完了した、とTechcrunchが報じている。同社は2016年に設立、社員が15人の小さな会社だが、建設現場で可動する組み立てロボットを独自開発し、注目を浴びている。DX Navigatorでも以前紹介した都市開発を専門とするアクセラレータ、Urban-Xの卒業生である*1。

Toggleが作る建設ロボットは既視感のあるアーム型ロボットだ。彼は鉄筋を曲げ、設計図面通りにCage(カゴ)と呼ばれる鉄筋の箱を作り上げる。例えば高層ビルの柱を作る場合、職人が太い鉄骨ワイヤーを設置し、溶接してカゴを作り、その周りに木製のパネルなどで型枠を作り、コンクリートを流し込んだりして作る。

Toggleの建設ロボットは、この「カゴ組み上げ工程」を行う。もちろんCADやBIMで作られた図面どおりに、忠実に組み上げる。100kg以上ある鉄筋を一人でスイスイと持ち上げ、疲れも知らずに正確に組み上げる。Toggle社によれば、彼のおかげで組み上げ工程は従来の5倍に高速化され、全建設工程も半分程度の時間で済むという。

Toggleのロボットが提供するのはFabrication(加工)とAssembly(組み立て)の2工程。

鉄筋を切り、曲げ(加工)、溶接し、最長25フィート(約7.6m)のカゴを作る(組み立て)作業であり、オフサイトで行われることを想定している。現在はブルックリンの同社工場でカゴ加工・組み立てを受注し、300マイルまでの現場に配送する。

以前のBIMのコラムでも説明したが、建設の生産性向上の重要要素の一つはオフサイト、すなわち現場以外で組み上げられた部品を活用することである。一般住宅ならばこのようなオフサイト工法は浸透しているが、すべてがカスタム図面のビル建築など、鉄筋を用いた建築物の場合、まだまだオンサイトでの加工・組み立てが多い。Toggleはそこに勝機を見出している。

Toggleが今後、「鉄筋カゴ」の製造受託を主力とするのか、ロボットそのものを販売していくことでポジションを取るのかは現段階では不明だが、BIMから入稿されるデジタルな設計図面から建材が組み上げられる時代が到来したことは確かである。

*1 Techcrunch(2019), Brooklyn-based construction robotics startup Toggle gets $3M seed fund, retrieved from
https://techcrunch.com/2019/10/15/brooklyn-based-construction-robotics-startup-toggle-gets-3m-seed-fund/

[参考情報]
Medium.com(2019), Construction Robotics Startup Toggle Secures $3 Million in Seed Funding, retrieved from
https://medium.com/toggle-for-construction/construction-robotics-startup-toggle-secures-3-million-in-seed-funding-5bc0716f198d
Urban-X(2019), Toggle, retrieved from
https://www.urban-x.com/company/toggle/
The Architect Newspaper(2019), Brooklyn-based startup is using robots for rebar assembly, retrieved from
https://archpaper.com/2019/05/toggle-rebar-infrastructure-startup-techplus/

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