MOV:ファンの新しい楽しみ、新時代のスポーツエンタメとなるか?

憧れのアスリートやアーティストがあの時着ていたユニフォームや衣装。

今、この手にできるとしたら、嬉しいですか?

Yes or Noでいうと、ある一定数のファンは

「Yes!Yes!お金を払っても手に入れたい!」と言うだろう。

 

コロナ禍で無観客試合や無観客ライブの試みが進み、大好きな選手を大声で応援する、憧れのアーティストに歓声を飛ばすなど、誰かを応援するファンにとって、リアルにその人と空間を同じくし、触れ合えるかけがえのない時間が軒並み無くなってしまった。

そんな中で、大好きなアスリートを応援し、その選手が試合で着用していたスニーカーやユニフォームがプレゼントされる、さらにその応援が慈善活動にもなる、という楽しく、頼もしいアプリがアメリカで登場している。

 

「匂いがすれば、それが商品になる」

 

Mov(モブ): Assist the causeの創設者Chris Alston(クリス・オールストン)氏はそう語る*1。

 

オールストン氏は2012年のコロンビア大学時代から大手金融関連会社ゴールドマン・サックスでのインターンシップを経験(その後、技術系の起業家を目指しコロンビア大学は中退している)、NASA(航空宇宙局)の商品プロモーションのコンサル業務など確実なキャリアを積み、2016年から2019年まで本アプリの前身ともいえる動画を使ったオークションアプリを扱うMov AppのCEOを務め、2020年にアスリートと慈善活動のプロモーションに特化したMov: Assist the causeを設立した*2。

 

TechCrunchにおける同社プレスリリースによると、オールストン氏は祖父母が慈善活動家という環境で育ち、プロバスケット選手の兄でもある。彼がスポーツ×慈善事業×プロモーションのビジネスを始めるのは自然な流れだろう。

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Movのアプリ上でユーザーは無料チケットを1枚手にする。選手たちは決められた期間内に自分がゲームで着用したスニーカーやユニフォームを持ってファンたちにメッセージを送り、ファンは大好きな選手のためにそのチケットを消費する。運よく当選すると、そのスニーカーやユニフォームをゲットできる。

当選確率を上げたいファンは1枚1ドル(約105円)から2ドル(約210円)のチケットを購入するか、友達にMOVアプリを紹介することで追加で何枚でもチケットを投入可能 *3。

 

過去世代の競馬でよく使われていたステークス方式と言われる手法を取り入れた懸賞方法で、現在の競馬のように開催企業が資金を準備して提供するのではなく、参加者が提供した資金でプロモーションの場を運営し、その収益を慈善事業に寄付する、というモデルだ。

 

チケットの追加購入で集まった資金の70%は、スポーツ選手が選んだ慈善団体に寄付され、残りの30%が会社の人件費と運営費に回される。

 

あくまでMOVはスポーツ選手とファンの慈善活動をサポートする、という形をとっている。ルールによると広告やマーケティング関係者及びその家族のチケット投入は禁止されていることから転売の横行防止にも一石を投じている*3 。

大好きなアスリートと同じ空間の空気が吸えなくなったファンの楽しみが、経済活動という形を保持しながらチャリティーや慈善活動に結びつくモデルは、新しい時代のスポーツエンタメビジネスとみんなの笑顔につながっていくだろう。

 

*1
techcrunch(2020), 汗と涙が染み込んだ大好きなスポーツ選手が試合で着用していたウェアをファンに届けるMov , retrieved from
https://jp.techcrunch.com/2020/11/04/2020-11-03-mov-gives-you-a-chance-to-win-your-favorite-athletes-game-day-attire-sweat-tears-and-all/

*2
linkedin(2021),Christopher Alston , retrieved from
https://www.linkedin.com/public-profile/in/christopher-alston-86767880

*3
MOV(2021),Sweepstakes Rules , retrieved from
https://www.mymov.co/sweepstakes

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