AI型契約管理SaaSで、孫契約までコロナリスク追跡 ―SirionLabsが4400万ドル調達

Contract Management(契約管理)という言葉自体、新しい言葉ではない。しかし、ここにフォーカスしたソフトウェアが急速に注目されて来たのは、自然語解析とAIが結びついたここ数年のことであろう。SirionLabsはそういった会社の一つで、社歴8年の企業である。現在、本社はニューヨークに構えるが、創業の地はインドである。その彼らが、4,400万ドルのシリーズC調達を完了した、とTechcrunchがこの5月に報道した *1。同社のサービスは契約書のSaaS型管理システムだが、調達契約と販売契約とのギャップマネジメントに特徴を持っている。調達部門がサプライヤーと締結した契約内容は、販売時に必ずしも一致しない。特に知財権などの面でこれは顕著になる。例えば、下請けの開発会社と提携した時、同社が保有している知財範囲と最終商品における権利の契約は別の契約文面となるのは間違いないし、その突き合わせはなかなかの労力である。まして、紙文書で締結されていれば、法務担当者の苦労は如何ばかりか、である。
同社のシステムは、契約書のバージョン管理や承認経路管理はもちろんのこと、法的文意を解読、複数の契約書間での意味の一致やギャップを判別し、法的リスクをAIではじき出す。40言語以上に対応しており、CrediSwissやUniliver、 日本では富士通などをクライアントとしている。

 

 

Techcrunchの同記事によれば、同社の顧客数は過去18ヶ月で4倍に増加したという。また、同社CEOのAjay Agrawalによれば、コロナウイルスの影響下で、各企業が既に締結済みの契約の履行責任に対して、より注意を払うようになったという*2。

世界的な経済活動の強制制約によって、潜在的な法的リスクを抱える企業は相当な数に登るだろう。契約文面をフルデジタル化していたとしても、リスクを洗い出すための人力作業は気の遠くなる作業である。何より、署名された契約書の確認の為に、オフィスに出社しなければならない企業もかなり多いはずだ。

コロナ禍がバックオフィスに投げかけた課題は大きい。SirionLabsのようなContract Managementは今後注目されていくことは間違いないだろう。SrionLabsは、コロナ影響下における契約リスクを可視化するCOVID-19ダッシュボードを提供。グローバル企業がローカルで締結している「孫契約」に至るまでを解析し、コロナ禍によるリスク算出と可視化を試みている*3。

 

画像引用:SpendMatters(2020) *3

画像引用:SpendMatters(2020) *3

 

*1,2 Techcrunch(2020), SirionLabs raises $44M to scale its contract management software, retrieved from
https://techcrunch.com/2020/05/13/sirionlabs-raises-44m-to-scale-its-contract-management-software/
*3 SpendMAtters(2020), CORONAVIRUS RESPONSE: Contract Analytics — Finding and Managing Contractual Risk and Reward in a Pandemic, retrieved from
https://spendmatters.com/2020/04/21/coronavirus-response-contract-analytics-finding-and-managing-contractual-risk-and-reward-in-a-pandemic/

[参考情報] https://www.sirionlabs.com/

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