中国系IoTプラットフォームのTuya、NY市場に上場申請
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中国のIoTプラットフォームを提供する塗鴉智能(Tuya Smart)が、この2月末に上場に向けた目論見書を提出した。提出先はニューヨーク証券取引所。預託債権の引受人はモルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカ証券、そして中国の国際投資を専門とする中金公司であるという*1。

IoTプラットフォームとは、「モノのインターネット」と呼ばれるIoTビジネスが必要とするデータの収集や管理、配信を一元的に実行できる環境をサービスとして提供するものの総称であるが、2014年創業のTuyaのビジネスの80%はPaaS形式で提供されるこのIoTプラットフォームであるという。これまでに2億ドル(約220億円)を調達しており、Global Bridge CapitalやCICCなどの中国系を中心に、老舗VCであるNew Enterprise Assosiatesなどの出資も受けている。

 

 

2019年から本格的に海外を意識した展開を始め、世界最大の家電見本市であるCESはもちろん、日本のCEATECでももはや常連といえる存在である。Tuyaのプラットフォームを使えば、極めて短期間でIoT商品を開発することができる。同社が提供するモジュールと呼ばれる通信チップを組み込んだ商品との通信制御をPaaS側で管理する仕組みで、その開発の大部分はノーコードで実行できるため、非エンジニアでもIoT製品を開発・リリースできる利点がある。

オランダのPhilipsやドイツのSiemensなど4000以上の著名企業が同プラットフォームを活用しており、日本ではパナソニックなどが利用しているとされ、2017年にはGoogleHomeと戦略提携、2018年にはソフトバンク コマース&サービスがパートナー提携を結んでいる。2020年現在で約2億台以上のIoTデバイスがTuyaのプラットフォームによって開発・管理されており、最大のライバルである同じ中国のXiaomiと同等のサイズである。彼らのフォーカスはスマホ連動を中心とした家電製品や住居設備のスマート化。汎用的で大規模なAmazon AWSやMicrosoft Asureのそれとは違った路線で強い存在感を発揮している。現在、IoTプラットフォーム業界はアメリカ、ドイツ、中国、そして日本がしのぎを削っているが、市場投入のスピードが求められる家電業界において、Tuyaのサービスはカテゴリーキラーとして存在感を増している。

 

同社のNY市場上場は、TikTokのByteDanceと並んで2021年の上場の目玉と目されているが、Huawai問題がまだ払拭しきれない中で、この2つの企業がどれだけ市場の信頼を勝ち取るのかは、様々な意味で注目されている。

 

[引用記事] *1
36Kr(2021), IoTプラットフォームの「Tuya Smart」が米国上場に向けた目論見書を提出 ソフトバンクとも提携, retrieved from
https://36kr.jp/121954/

[参考情報] EqualOcean(2021), Chinese IoT Platform Tuya Smart Files for USD 100 Million NYSE IPO, retrieved from
https://equalocean.com/news/2021022616034
家電Watch(2019), 【CEATEC】AI+IoTプラットフォームを提供するTuyaが、多彩なIoT製品を展示, retrieved from
https://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/1212764.html

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