ウォルマート、ロボタクシーのCruiseに27.5億ドル出資ラウンドに参加
自動運転を前提とするロボタクシーのスタートアップは増え続けているが、そこに小売業が参加する流れもまた増えていくことになるかもしれない。
サンフランシスコとドバイでロボタクシー運営を目指すCruiseはこの度、27.5億ドルを新たに調達したが、その投資ラウンドにWalmartが参加したことが話題になっている*1。出資額は不明であるが、同ラウンドはMicrosoftがリードインベスターを務めている。
出資を受けたCruiseは、日本企業の本田技研やソフトバンク・ビジョン・ファンドなどからも出資を受けており、来たるべきMaaS社会における自動運転車両を活用したサービス、すなわちロボタクシーの主要提供者の一角として期待されていた。だが、本ラウンド出資に参加したWalmartの存在が、MaaSのもう一つの可能性である無人配送というサービスの光をCruise社に当てることとなった。
以前DX navigatorでも紹介しているがWalmartは無人配送の開発に積極的な姿勢を見せており、FordおよびArgoとのコラボレーションでパイロットテストをすでに開始している*2。また、先述のTechcrunchの記事によれば、Walmartはこの他にWaymoやUdelv、 Nuro、Gatikといった無人配送関連のスタートアップと提携を結び、また、無人配送に積極的だったフードデリバリー大手のPostmates(2020年Uberが買収)と組むなど、各地で同時並行のテストを展開している。
このWalmartの一連の動きで興味深いのは、店舗から自宅までの、いわゆるラストワンマイルだけでなく、物流センターと店舗を結ぶ中距離の拠点間輸送テストも開始しているという点であろう。完全なる自動運転にはまだ10年はかかると目されているなか、小売の巨人はMaaS時代の物流を積極的に模索している。
このWalmartの一連の動きで興味深いのは、店舗から自宅までの、いわゆるラストワンマイルだけでなく、物流センターと店舗を結ぶ中距離の拠点間輸送テストも開始しているという点であろう。完全なる自動運転にはまだ10年はかかると目されているなか、小売の巨人はMaaS時代の物流を積極的に模索している。
引用記事:
*1
Techcrunch(2021), Walmart helps push Cruise’s latest investment round to $2.75B, retrieved from https://techcrunch.com/2021/04/15/walmart-helps-push-cruises-latest-investment-round-to-2-75b/
*2
DX Navigator(2021), Walmart、自動運転配送でFordと再びタッグを組む retrieved from https://dx-navigator.com/walmart-ford-self-driving-delivery
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